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国の祭、歴史の痛み、民の願い

江東平

  国旗が半垂し、警報が鳴っている。国家公祭の日、再び人々の思いを85年前の暗闇の中の南京に連れ戻した。

  歴史の痛みは、国辱を忘れるなという民族の記憶を構築する。30余万の生き霊が惨殺され、浩浩とした長江は真っ赤な血の波を巻いていた。「車は100-200メートル走っては、いくつもの死体にぶつかる。死んだのはすべて庶民で、死体を検査したら、背中に弾丸で撃たれた跡があることを発見した」とドイツ人のジョン・ラベーが1937年12月14日の日記に記録している。このような記載はまだたくさんあり、1938年1月まで続いた。ドイツの外交官は極秘電報で、暴行を犯した日本軍を「獣類集団」と呼び、規律がなく、暴行や犯罪を行っているのは個々人ではなく、日本軍全体だと指摘した。日本侵略者のファシズム的暴行は、同胞の遭難地と集団埋葬地で発生し、南京大虐殺の文物史料に表され、南京大虐殺の生存者一人一人の心の底に焼き付けられた。これは中華民族が永遠に忘れてはならない屈辱の歴史である。 

  平和の願いは、歴史を鑑とする歴史的自覚から離れられない。戦争の痛みをしっかり覚えてこそ、平和のありがたさをより大切にすることができる。毎年国家公祭儀式で鳴り響く重々しい鐘の音は、犠牲になった同胞への追慕と追想であり、歴史的悲劇を二度と繰り返されないようにする警告と戒めでもある。前事を忘れず、後事の師とす、「誰もが戦争の痛ましさを覚えてこそ、平和には希望がある」、これは南京大虐殺歴史が後世に残した深い啓示である。我々は「一代一代で記憶を伝承し続ける」歴史記憶の守護者・伝承者として、侵略歴史を歪曲し民族感情を傷つけるすべての誤った言動を警戒して、歴史を鑑とする冷静さと確固さを永遠に維持してこそ、平和の基礎を打ち固めることができ、それを守って、初めて手を携えて美しい未来を建設することができる。

  国家が公祭を行って、中華を振興する奮発の志を凝集することができる。国家公祭日を設け、国家公祭の儀式を行うことは、中国人民が歴史を銘記し、平和を大切にし、未来を切り開く確固たる立場を表明するということである。85年後の今、南京はすでにトラウマの記憶を載せた国際平和都市となり、中国も大いに変わり、中華民族の偉大な復興は不可逆的な歴史的プロセスに入った。平和的発展の道を歩む中国式現代化を揺るぐことなく推し進め、人民の美しい生活への憧れを現実に変えてこそ、中華民族の偉大な復興という近代以来の最も偉大な夢を実現させることができる。30万人以上の南京大虐殺犠牲者、そして日本の侵略者に虐殺されたすべての犠牲者同胞が生前憧れていた素晴らしい生活は、私たちの継続的奮闘の中で一歩一歩実現させるに違いない!

  作  者:国家記憶及び国際平和研究院評論家 江東平

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