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惨憺たる南京大虐殺惨事は中国の歴史上で最も暗いページであり、南京が永遠に忘れてはならない痛ましい記憶である!8月15日午前、「南京は永遠に忘れない―南京大虐殺歴史記憶伝承テーマ活動」が侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館公祭広場及び「南京大虐殺史実展」展示ホールで開催された。第二陣の南京大虐殺生存者の子孫10人が「南京大虐殺歴史記憶伝承者」の証書を受け取ったことは、ますます多くの生存者の子孫が歴史記憶を伝承し、歴史の真相を伝えるバトンを受け継いだことを意味している。

警鐘が長く鳴り響く|12人の生存者子孫が平和の鐘を撞く

午前8時15分、鐘撞きセレモニーが記念館公祭広場で行われた。王素明の娘徐宏さんと娘婿の夏天行さん、楊静秋の孫娘の周肖燕さん、黄桂蘭のひ孫娘の陶心怡さんなど南京大虐殺生存者12人の子孫が2つのグループに分かれて平和の鐘を13回撞いた。鐘の音が広場の上空に長く鳴り響き、それは歴史の記憶を銘記し、歴史の真実を守るということを常に人々に警示しているのである。

「鐘の音が鳴った時、心が痛む歳月に戻ったようです。鐘の音は犠牲になった同胞への哀悼の音であり、警戒の声でもあります。」と生存者の子孫である夏天行さんは話している。2022年は夏天行さんにとって悲しみと希望が共存する年だった。2022年3月23日、義母の王素明が病気で亡くなり、2022年8月15日、妻の徐宏さんとともに初の南京大虐殺歴史記憶伝承者となって、今では1年になる。この一年間で、出国する南京の高校生たちに「高校生平和教室」の講座をして、海外へ歴史真実を伝えることを言いつけたり、メディアのインタビューを受け、カメラに向かって義母の話を何度も語ったり、モーメンツやティックトックなどのプラットフォームで記念館の動きを発表したりしていた。「南京大虐殺の歴史的真実をもっと多くの人に知ってほしい!」という王素明が生前何度も口にしたこの願いを目標としてその娘夫婦が頑張っている。

使命を担う|歴史的記憶の伝承者10人が就任

今日、記念館は第二陣の「南京大虐殺歴史記憶伝承者」証書の授与式も行った。

昨年8月15日、記念館は13人の生存者子孫のために第一陣の「南京大虐殺歴史記憶伝承者」証書を授与した。これは生存者の子孫たちが正式にバトンを引き継ぎ、南京大虐殺の歴史記憶を引き継ぐ重任を担っていることを意味する。この1年以来、彼らは記念館やキャンパスに入って観客と学生のために家族の話をしたり、あるいはマイクロブログやティックトックで、歴史をより多くの人に伝えたりしている。自分たちの筆や行動を通じて、その血まみれな大惨事の歴史を世間に知ってもらって、若い世代が自強し、祖国建設の重任を担うよう激励している。

今日から、また60代から20代までの生存者子孫10人がこの重い「南京大虐殺歴史記憶伝承者」の証書を受け取った。生存者の劉民生、方素霞、中国共産党南京市委員会宣伝部副部長、記念館館長の周峰、南京師範大学教授、南京侵華日軍被害者支援協会会長の張連紅はそれぞれ曹玉莉、徐開醼、周柏選、関若欣など生存者子孫に証書を授与した。

生存者劉刘民生(上)、方素霞(下)が歴史記憶伝承者に証書を授与している


左より右へ:生存者方素霞周柏選、玉莉、関若欣、生存者劉民生、劉

張連紅会長は、生存者の子孫は南京大虐殺記憶を伝承する過程でかけがえのない役割を果たしていると言い、「生存者の子孫は生存者と朝夕一緒に暮らしており、戦争の創傷体験に対して‘身を切る痛み’があり、南京大虐殺の記憶を伝承する上で彼らの役割は取って代わることはできない。ここ数年来、多くの生存者の子孫はすでに歴史記憶を伝承するバトンを受け取っており、記念館主催の様々な記念活動に積極的に参加している。この創傷記憶を伝承することは、憎しみを続けるためではなく、この人類の惨禍から教訓を吸収し、平和的な力を蓄え、新たな暴行の発生を阻止することにある。」と述べた。

南京大虐殺生存者の曹洪泰、張翠英夫妻の娘である曹玉莉さんは、「両親は生前、自分が歴史の証人としての使命を担っていることを忘れたことはありません。虐殺された家族や同胞を永遠に忘れないで、南京大虐殺の歴史的真実を代々受け継いでいくようにとずっと戒めてきました。生存者の子孫として、私たちは永遠に歴史を銘記し、南京大虐殺の真相を代々受け継いでいかなければなりません」と述べた。


曹玉莉さん

ゆっくりと暗くなっていくおばあちゃんの写真を見ると、楊静秋の孫娘の周肖燕さんは涙を堪えきれず、「祖母は好き嫌いがはっきりしており、生前よく私たちにこの歴史を語って、この歴史を銘記し、南京で侵華日軍が犯した凶悪な犯罪を決して忘れてはならないと教育してくれました。平和を愛する祖母は、いつも君たちは今を大切にしなくてはいけないよって言ってくれました。記憶の伝承者として、私は祖母のこと、その精神を伝えていきます」と話した。


周肖燕さん(右一)

1999年に生まれ、今回南京大虐殺歴史記憶伝承者の証書を受けた人の中で最年少である、生存者黄桂蘭のひ孫娘の陶心怡さんは現在南京芸術学院で勉強しており、よく同級生たちにこの歴史について話している。「私の専攻は展示デザインです。よく同級生や友人と記念館を見学して、記念館の展示レイアウトだけでなく、歴史の内容も勉強しています。生存者の子孫として、私はこの歴史記憶を伝えていく責任があります」。


陶心怡さん

リレーで語る|歴史記憶の「声」止まぬ

式が終わった後、第二陣の「南京大虐殺歴史記憶伝承者」の葛鳳瑾さん、周肖燕さん、国内外の学生代表、ボランティア代表が展示ホールの中にあるヴォートリン彫像、ラベー彫像と程瑞芳写真の前に来て、観客のために『ヴォートリン日記』、『ラベー日記』、『程瑞芳日記』の抜粋を朗読した。

大虐殺期間中、生存者の葛道栄氏は弟と妹を連れて金陵女子文理学院難民収容所に避難した時、そこでヴォートリンの庇護を受けた。今年1月、葛道栄氏が亡くなったため、歴史を語る重任はその子孫に渡された。その次男の葛鳳瑾さんは、「『ヴォートリン日記』の一節を読んだとき、父の当時の経歴を思い出しました。生前歴史記憶を伝承し平和の声を伝えることに真剣で執着していた父に学び、その精神を受け継ぐべきだと思います。私にはこの歴史記憶を伝承して、より多くの若い人に深く理解し、正しく認識させる責任があると思います」と述べた。


葛鳳瑾さんがヴォートリン日記』を朗読している

第二陣の「南京大虐殺歴史記憶伝承者」の関若欣さんが記念館追悼広場の「歴史証人の足跡」銅板路を訪れた。ここにズボンの右足の部分を巻いて、日本軍の弾丸で打ち抜かれた傷跡を見せている彼女の曾祖母、南京大虐殺生存者の彭玉珍氏の銅像が立っている。曾祖母が健在だった時、関若欣さんはその足跡を取るために付き添って記念館に来たことがある。今では、彼女は観客のために苦難を経験したが強く生き抜いた曾祖母の生涯を語っている。「曾祖母は他界しましたが、その銅像と足跡は永遠に歴史の真実を記録し語り、後世に歴史を忘れないよう警示しているのです」と話した。


関若欣さんは国際留学生曾祖母の経歴を語っている

この日、米国、ドイツ、ポーランドからの外国人留学生10人が参加した。平均年齢は25歳で、世界的有名な大学を卒業した人もいればまだ勉強中の人もいる。アメリカから来た学生のポーラン・ジャクソン(Pawlan Jackson)さん、李明(Alisky Michael)さんは、葛鳳瑾さん、周肖燕さんと一緒に『ラベー日記』、『ヴォートリン日記』と『程瑞芳日記』を朗読した。南京大虐殺の歴史的記憶は中国人の記憶にだけでなく、世界の記憶にも刻まれている。

「私の祖先は第二次世界大戦中に追放されたヨーロッパのユダヤ人でした」と、アメリカジョージア州の青年彭士傑さんは『ラベー日記』を朗読した際何度も涙ぐんで、「南京大虐殺という惨事は理解できます。ユダヤ人ホロコーストと同じ性質です」と言っていた。一方、『ヴォートリン日記』を朗読した米国人の李明さんは、「私たち一人一人が危難の中で人を助け、一人一人の運命に関心を寄せるべきです。南京大虐殺は誰も忘れてはならない歴史です」と話した。


彭傑克(Pawlan·Jackson)さんが『ラベー日記』を労働くしている


李明(Alisky·Michael)さんが『ヴォートリン日記』を朗読している


南京外国語学校仙林分校の小学生ボランティア程熙涵さんが朗読に参与

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